『伝える』ということ
先日、放課後児童クラブで絵本の読み聞かせをする機会をいただきました。
集まってくれたのは、小学1年生から5年生まで、約50名の子どもたち。
ほとんどが初めましての子どもたちです。
30分という限られた時間の中で、どうすれば「楽しかった!」と思ってもらえる時間をつくれるだろう。
そんなことを考えながら準備をしました。
もちろん、どんな絵本を選ぶかはとても大切。
「見る」
「聞く」
「考える」
「参加する」
そんな時間を織り交ぜながら、物語だけでなく、科学絵本や数字・文字の絵本、クイズなど、少しずつ変化をつけることで、子どもたちの集中は大きく変わってきます。
読み聞かせは、ただ読む時間ではなく、子どもたちとの「やりとり」の時間なのだと思っています。
そんな中で、一人の子どもの姿が目に留まりました。
身体は少し斜めになり、決して「きちんとした姿勢」ではありません。
先生方は、「ちゃんと座って聞きましょう」と声をかけます。
私への礼節も考えてのことだと思います。
でも、その子はずっと耳をこちらへ向けていました。
時折こちらをじっと見つめ、話の展開に合わせて表情が動く。
おしゃべりをして周りの邪魔をすることもありません。
その姿を見ながら、私は思いました。
この子は、ちゃんと私とやりとりをしてくれている。
姿勢だけを見れば、「聞いていない」と判断されるかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか。
子どもは一人ひとり、集中の仕方も、話の聞き方も違います。
まっすぐ前を向いていることだけが、「聞いている」ということではありません。
耳で聞く子もいます。
身体を少し動かしながら聞く子もいます。
安心できる姿勢だからこそ、話の内容に集中できる子もいます。
だから私は、目に見える姿だけで決めつけたくないと思っています。
意識したいのは
「心がこちらを向いているか」。
その子が今、何を感じ、何に注目しているのか。
その背景に目を向けることで、子どもたちと本当の意味で分かり合える瞬間が生まれるように思います。




